DVシェルターでの生活はどんな感じ?
DVシェルターとは配偶者の暴力により、一時的に加害者側から離れて、次の暮らしを準備するための保護施設です。
民間が運営する民間シェルター(全国で122(令和元年11月1日現在))と行政が設置するシェルターがあります。
行政が設置するシェルターは各自治体の婦人相談所が運営しているか、委託をしています。住所は安全の為非公開です。
どんな生活をしていたのか気になると思います。
DVシェルターでの生活はこんな生活をしていました。
シェルターへ避難するまでのDV避難フロー図はこちらをご覧ください
予定 | 備考 | |
月 | AM 面談 PM 外の中庭で子供を散歩させる | ※中庭は高い塀で囲まれており、外からは中の様子が見えない建物になっている。ブランコ、小さな滑り台などの遊具が少しあった。 |
火 | AM 面談 PM 本を読む | 共有スペースの様な場所があり、そこにおもちゃと本が少しあったので、わずかなおもちゃと本で一日の時間をつぶした。 |
水 | AM なし PM 本を読む | 婦人相談員のスケジュールによっては面談のない日もあった。 一日誰とも話をしない日は不安で仕方なかった。 |
木 | AM 面談 PM ホールで運動 | 室内で運動ができるスペースがあったので、予約制で使える日もあった。 ずっと室内で牢屋の様な気分だったので、少しでも運動ができるのはありがたかった。 |
金 | AM 役所の人と面談 PM 退所手続き | ※土日に退所は出来ないので、退所予定の人は17時までに急いで退所する。 この後、母子生活支援施設へ行く(私は例外でしたが、基本は母子生活支援施設の受け入れ時間も考えて午前中~夕方くらいまでに先方に入所できるようにする) |
土 | 予定なし | ※土日は職員さんが休みだったり、役所も空いていないので基本的に何も予定が入らない。 |
日 | 予定なし |
時間はたっぷりあるので、子供と遊んでやりたいけども、これからの生活の不安や、家を急に出てきて夫がどんなに怒り狂っているかを想像すると、子供とゆったり過ごす・・・というような精神状態ではなかった。

シェルターで暮らすルール
- 他の入所者と身の上の話をしないこと
- 物やお金の貸し借りは入所者間でしないこと
- お金、携帯電話は預けて入所中は使えない
- 提供される食事以外にお菓子など食べないこと(なぜ???!)
シェルターでの食事

無料で食事を頂いているので、感謝はもちろんしています。ただ、食べ盛りの子供にはあまりに少なく感じる日もありました。いつもなら2、3個は食べるであろうコロッケも1つ。大人も3歳も同じ分量の日もありました。そんな日は、他の家族もですが、母の分を子供に分けてやり、自分は余分がある白いごはんだけ食べました。
おかずが少なくて、その代わりについているふりかけや、朝のパンについてくるジャムなどは、子供が食べるおかずが少ない時の為に母たちは自分の分を貯めて、いざという時の緊急食糧にしていました。
そしてそんな風に貯めたふりかけとジャムは退所するときに他の家族へプレゼントしていました。
普通の食事ではいつもおなかがペコペコでしたが、おやつの時間が14時半くらいにあって、リンゴやおせんべいが一枚もらえました。うれしかったです。
シェルターの生活・子供の反応は?
子どもが中学生、高校生なら、親の離婚やDVの状況について少しは把握しているかもしれませんが、子供が幼児だった場合にはDV避難の状況を理解していないことが多いのではないでしょうか?
うちの子たちの場合は、家を出てから最初の5日はこんな反応でした・・・
1日目 | 長男4歳・・・初めての場所で寝ることが不安。早く家に帰りたいと言う 次男3歳・・・初めての場所が楽しくて仕方ない | 母:「今日はここで寝ようね」と簡単な説明をする。 |
2日目 | 長男4歳・・・なんでパパに会えないの? 早く家に帰りたいと大泣き。 次男3歳・・・長男と正反対。新しい場所を楽しむ | 母:2日目、子供に「パパに会いたい」と泣かれ、シェルターを出て自宅に帰るべきか悩む |
3日目 | 長男4歳・・・日中は新しいおもちゃを楽しむ 次男3歳・・・遊ぶおもちゃが少なくて飽きてくる | 母:まだ自分も動揺して子供に良い説明ができない。「ごめんね、もう家には帰れないの」と説明 |
4日目 | 長男4歳・・・夜になるとシクシクと泣き出す 次男3歳・・・外遊びと中遊びのホールがあまり使えず不満 | 母:枕に頭をうずめて泣く長男の姿を見て涙が止まらない。「こんな思いを子供にさせてもいいのか?」と自問自答 |
5日目 | 長男4歳・・・毎日夜泣く。 次男3歳・・・長男につられて少し家が恋しくなる | 母:婦人相談員さんの言葉を胸に、「新しい場所でママと楽しく暮らそう」と前向きに長男に正直な話をする。 |
6日目 | 長男4歳・・・母の言葉に切り返す 次男3歳・・・時間差でパパに会いたい気持ちが出てきて泣き出す。 | 母:「パパとママはけんかをしたからもうパパには会えないんだよ、ごめんね」 長男「じゃあパパにごめんねって言ったらどう?許してくれるよ」 母:「ママは悪いことしてないから謝らないんだよ。大人は喧嘩してごめんねって言っても仲直りができないことがあるんだよ、ごめんね」 |
シェルターを出て、その後母子生活支援施設へ行きますが、母子生活支援施設はもう少し、自由のある日常的な社会生活もおくりながら、離婚の手続きと自立生活を準備する場所です。母子生活支援施設に住むめりっと ・デメリットはこちら

子どもたちの状況理解度と父親への気持ち
今回は長男ロコン当時4歳の気持ちしか書いていません。
次男3歳はほぼ父親に関する記憶がないのです。
最近父親と次男本人が2人でうつっている写真をたまたま彼が見かけたのですが、次男いのすけは、「このおじさん誰?」と言いました。
自分が小さいころに「父親」という存在がいたことは認識しているようですが、父親の顔も忘れています。

心の声:いつか大人になったらパパに会いに行こう。
パパとママは早く仲直りすればいいのにな~

前のパパとは、もう会えないけど、今の生活が好き。
心の声:パパはママに何か意地悪なことをしたのかもしれない。
そういえばママに可哀そうなことしてるの見たな・・・
前のパパと彼の中で読んでいますが、別に今お付き合いしている人がいるわけでも再婚したわけでもありません。
でも彼の中でパパはもう過去の人になっているのですね~。
何度も真剣に話をして、「もう会えない」こと、と「パパはママに優しくしてくれなかったから、ママはもうパパに会いたくないと思っている、子供達3人とママで幸せに暮らしたいと思ってる」と4歳に真剣な話を継続的にしたのが良かったと思いたいです。
