母子生活支援施設とは?
母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。
母子生活支援施設とは、社会福祉法人 全国社会福祉協議会によると、全国に272施設、全国で4,056世帯、10,608人の利用者が、
母である女性本人だけでは解決できないような諸事情がある母子家庭を受け入れて、自立生活が出来るまでをサポートしてくれる場所です。
え?こんな場所があるの?夫から逃げても住む場所がないと諦めてた!と言う方々。
気になる方は、まずお近くの自治体の福祉課に相談されることをおススメします。
DVシェルターから母子生活支援施設でサポートを受ける流れはこちら
DV相談一覧(全国の配偶者暴力支援センター一覧)はこちらもご参考に
母子生活支援施設に住んでた私がリアルにぶっちゃけ答えます

どこにあるの?自分で行きたい県は選べる?
場所は全国約272か所にあります。
●自分で特定の施設を選べるかどうかは状況によって違います。
●シェルターに既に入っている状態で、自治体の役所にも相談している状態であれば、決定するのは、施設の空き状況や当人の今後の裁判状況を考慮してその自治体が決定します。あなたが安全に暮らせる県を選んでくれます。
ほとんどの場合で県外に行くと聞きました。
ただし、私の知っているパターンでは、離婚裁判の為に度々出廷しないといけないから、安全性と利便性を考えて、「ギリギリ日帰りで帰れるような現住所県内の田舎」に入所が決定した人もいました。
●自分で選べるのは、特定の施設に自分から相談に行く場合ですね。
ただし、いずれにしても措置元の自治体(あなたを担当して自治体の予算でサポートしてくれる役所)には相談をする必要があります。

間取りは?お風呂は共同?
間取りは多くが2K、2DK、2LDKだと思います。3LDKもありますが、レアケース。
公営の古い母子生活支援施設では、お風呂が共同であることもありますが、民営(社会福祉法人など)はほとんどの場合お風呂も各部屋についています。キッチンも各部屋についているので、DVシェルターと違って自分で料理洗濯を自室で行い生活します。

施設の家賃は?水道光熱費は?
収入により、施設の利用料は異なりますが、昨年度の収入が300万円弱で6000円前後。生活保護であれば、施設利用料(家賃)は無料です。
水道・光熱費は実費を支払います。

買い物は普通に行けるの?
入所してすぐは生活用品の買い出しなど、職員さんの付き添いのもと、諸々買い物しましたが、買い物も普通に行けるようになります。
ただし、夫からの追跡や危険性が高い場合には「行動制限」という制限つきの移動範囲になります。(繁華街に行くのはNGなど)

母子生活支援施設には何年住めるの?
母子生活支援施設は、永久に住める場所ではありません。離婚が成立して、お金を貯めて自立の準備が整ったら退所となります。
入所から退所までの流れはこちら

施設に入ると、携帯禁止。親にも友達にも連絡できないって本当?
これは、入所理由とタイミングによります。
DV以外の理由で入所している人は、入所当初からそのあたりは問題なく連絡が取れるし携帯電話もOKですよ。
ただし、DV避難として入所している人は、ある程度入所から時間が経過していること、加害者からの危険性がもうないこと・・・などなど、総合的に判断して担当の母子支援員と施設長と呼ばれる職員がOKを出せば、携帯も持てるし、親や友人にも連絡が取れるようになります。
私の場合は、入所当初は親への連絡は自治体経由で連絡のやり取りをしていました。
実際に携帯を持てて、親に直接連絡が取れたのは3か月後くらいでした。これはかなり早いケースです。中には半年、1、2年親にも連絡取れない人もいました。
色々な制約があります。母子生活支援施設に住むメリットとデメリットの比較はこちら

門限とかルールが厳しいんでしょ?

これも入所した施設によりけりだとは、思いますが、「普通のマンションではない」「普通の寮でもない」ことは確かです。近いイメージとしては「比較的元気な人が集まる老人ホーム」というところでしょうか。
門限ーありました。22時くらい。SNS禁止(まあDV入所なら当たり前です)、来客の限定(親族でも中学生以上の男性は建物に入れない)、行動制限(駅など繁華街への行動禁止)などです。
でも、許可がでればネット通販もできるし、仕事も出来るし。
私は個人的にはルールが厳しすぎるとは思わなかったです。
携帯を持たせてもらえない人、外出許可が下りない人は不満を持っていましたが、一番は加害者からの避難。安全であると考えれば合理的なルールです。

元住んでた家の荷物はどうなった?

これね。後悔した部分です。
私は何も下準備せずに家を出たから、元夫から引き渡してもらえない荷物もあったんです。
結局、離婚をスムーズに合意してもらうためにはあんまり荷物の事でこちら側から、あれもこれも引き渡してくれ、と強く言えない部分もあって。弁護士さんにも「また変えるモノは買ったらいいじゃない」と言われて諦めた。
でも↓こうゆうトランクルームとか、レンタルボックスを最初から借りて、少しづつバレないように、大切な写真や子供との思い出のもの、服類も家から出しておくのもひとつの手!!
保管料もひと月1500円~2000円台であるから、いつか別れたい。とか一緒にいるのがきつい。と思ってるなら準備はしといた方がいいですよ。一回逃げたらもう二度と家の荷物は取りに帰れないつもりで。(保護命令のうち退去命令を有効にする方法もありますが)


いきなり家を出ても家具も服もないけど大丈夫?

全然大丈夫だよ。
私も最初は心配だったけど、家具は施設に備え付けのがあるから最初はそれを使わせてもらって、自分の冷蔵庫とか、洗濯機とか電子レンジとか、買ったら施設に返すスタイル。
私が施設に到着した日は、もうボロボロ。必死で一日を過ごして精神的に極限状態。そんな時職員さんから「ウェルカムセット」というものを渡されてすごく安心して涙が出たよ。
ウェルカムセットの中身は
・カレーが入った鍋
・お米3合くらい
・家族の人数分の箸、スプーン&フォーク、お茶碗
・歯ブラシセット
・調理道具

部屋の中には・・・
布団、冷蔵庫、洗濯機、食器棚、テレビ
といった最低限生活できるものがあったよ。
服は・・・
退所した人が寄付してくれた服が子供のサイズも大人のサイズも色々あって、当分はそれを着たり、買い物にも連れて行ってもらえたから全然大丈夫。

どんな人達が住んでるの?

私が住んでた建物には、親子15世帯くらいが共同生活してたよ。
いろんな人がいたな~15世帯のうち半分以上は多分DV理由の入所者たちだったと思う。子供1人の家庭もあれば子供が5人くらいいる家庭もあったし。
母子生活支援施設に住むメリット・デメリット
民間の賃貸住宅に住むか、公営住宅に住むか、母子生活支援施設に住むか、悩まれる方もいらっしゃると思います。
安全な生活になるとはいえ、今の生活を完全に置いて家を出るのは覚悟が必要となる決断だと思います。
母子生活支援施設に住むメリット・デメリットについてはこちらもご覧くださいね