母子生活支援施設でのトラブル(暴力の連鎖ー子と母)
こんにちは。サバ子です。
今日は母子生活支援施設でのトラブル第三回です。
前回、母子生活支援施設でのトラブル その②「包丁で脅す5歳」で面前DVのエピソードをご紹介しましたが、
今回も同じく面前DVに関わる暴力の連鎖についてのエピソードです。
エピソード『子供へ引き継ぐDV』

東北出身の伊東ミキさん(仮名30代)は夫からの酷い暴言などのDVで精神的に憔悴した女性でした。
彼女は、夫からの日々の人格否定と暴言で、母子生活支援施設に入所してからも毎日夫から追い詰められ、逃げる夢を見ていたと言います。
301号室の彼女の隣に住んでいたのが302号室の高橋玲子さん(仮名30代)でした。
高橋玲子さんは関西出身。関西弁で激しく子供を叱る声は、ミキさんにとって夫を連想させ、非常に苦痛なことでした。
夏場は特に厳しい状況。
網戸にしているので、怒鳴り声が施設中に響き渡ります。関西弁の性質もあり、怒鳴り声に敏感なミキさんにとっては他人の怒鳴り声を聞くだけで苦しいのですが、その言葉遣いも心に刺さりました。
玲子さんは子供に対し、
- アホちゃうか
- バカじゃない?
- 頭悪いな
- 死ねや
- ぶち殺すぞ
- ぶん殴るぞ
- てめぇ、コノヤロウ
などの言葉遣いを、自分の子供になげかけていました。自分の事ではないけど、隣に住むミキさんにとっては、あたかも夫が自分に言っているかのようなフラッシュバックを感じ、過呼吸にもなりました。
そんな状況なので、ミキさんは意を決して、母子生活支援施設の職員に相談したのです。
職員の答えは『言葉遣いについては私たちも懸念しているところ。玲子さんには指導するわね』と。
しかし、何の不手際か、噂なのか、玲子さん本人に『ミキさんが施設にクレームを言った』と耳に入ったのです。
玲子さんは、ある日ポストに『友達だと思ってたのに、私の悪口言ってたんだ。裏切ったね。言いたいことあるならはっきり面と向かって言ったら?』という手紙を受けとりました。
それ以降、玲子さんは「ミキさんはクレーマーで、私の悪口を言っている」、と他の入所者に訴え、派閥を作ったそうです。
上記のような言葉を投げかけられる玲子さんの子供たちの言葉遣いと友達への態度は、あまりに乱暴だったとミキさんは振り返ります。
子どもたちに罪はないのに、生育環境により、暴力・暴言を日常の一部として生活するとそれが自然な行動の一部になってしまいます。
幸い、玲子さんのケースでは職員が介入したことにより、ご本人も子供達も暴言暴力が減り、幾分穏やかになったと聞きました。
暴力の連鎖
夫から暴言暴力を振るわれてきた女性の中には、私が見てきた中で自身の子供に対して以下の2種類の反応を示している場合があると考察します。
- 夫と同じく子どもを虐待、又は暴言を使う母になる
- 夫の暴言暴力により母自身が委縮し、正当な場合にも子供に強い言葉でしつけができなくなる
ちなみに私は2番です。
子どもにキツく言いたくなくて、しっかりとしたしつけができていないという自覚があります・・・。
目黒児童虐待死の事件も、母がDVを受けていたと主張していますね。1番の「夫と同じく子どもを虐待、又は暴言を使う母になる」パターンにあてはまると思います。DVをされた被害者も加害者になりえる可能性があるということです。DV夫からDV母へ、そしてその性質は子どもも暴力の連鎖として引き継ぐ可能性があります。
子供を被害者にしたくないのはもちろん、生育環境という避けられない状況のせいで、未来ある子供達に誰かを傷つける加害者にもなってもらいたくないですね。
暴力の連鎖は、絶対に断ち切らなければいけないと思います。